この恋に砂糖は使用しておりません
長めだった大雅の前髪は、眉の下で自然な長さに揃えられ、ノーセットでボリュームがなかったヘア全体には軽く動きがつき、爽やかながらも甘さのあるヘアスタイルへと変化した。
特に目立つ要素がなかった大雅が、まるで最近テレビに出だした新人モデルのようにも見えて。
これはキタ、と思った。
「これであたしの高校生活も、大雅の高校生活も、楽しくなること間違いなし!」
あたしは笑って手を叩いたけど、大雅はそんな目の前の幼馴染をもう手に負えないらしく、苦笑いを浮かべて頭を掻いていた。
――そう、これで全てがうまくいくはずだった、のに。