この恋に砂糖は使用しておりません


つい最近までは、あたししか友達いなかったくせに。


彼女どころか、女の子に興味すらなかったくせに。


「大雅くん…?」


そんな甘い声に、そんな甘い女の子に、モテちゃってさ。


「あ、ごめん。愛海、用ないなら俺行くけど」


あたしはそんなに、甘くないっての。


あれ、おかしいな、これってまるで。


「なんでもない」


それは、あたしの口から漏れた言葉。

    
なんでもないわけなんて、ないじゃん。

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