この恋に砂糖は使用しておりません


そして、大雅にこの台詞を言うのは何度目だろう。


あたしは大雅が“変わって”しまってから、大雅からの登下校の誘いをこうやって断ってきた。


普通に考えてそうだろう。


彼女がいる幼馴染と、誰が好き好んで登校や下校を一緒にするのだろう。


そんなことをして、彼女から怒られるのは、大雅ではなくてあたし。


あたしはこれっぽっちも悪くないのに、迎えに来るのは、誘って来るのは大雅なのに。


そんなことであたしが怒られるなんて納得できない。


と、多少冷たい態度を取っても、大雅は何度も誘ってきた。


もちろん相変わらず朝もあたしを迎えに来るけど、あたしは大雅には構わずできるだけ離れて歩いている。


一緒に登校してる所を見られたら、また大雅の周りの女の子がうるさいからね。


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