この恋に砂糖は使用しておりません
「…幼馴染。大事なやつがいるんです」
――勘違いするな、あたし。
こいつは好きじゃない人にだってこんなことを言えちゃうくらい、軽い男なんだから。
もう昔の大雅とは違う。
あたしだけしかいなかった大雅とは違うから、勘違いするな。
「幼馴染ね、」
何故か、“伶先輩”があたしの方をチラッと見るのが分かった。
あたし、教科書を見ているはずなのに。
その視線に気づいてしまうほどに、“伶先輩”を意識していたのだと思う。