この恋に砂糖は使用しておりません
第4章 砂糖:70グラム
「そうなんだ」
何も知らない“伶先輩”は、大雅の言葉を素直に聞き入れた。
あたしは何事もなかったように、また教科書に視線を戻す。
これで良かったんだ、これで良かったんだ。
あたしがこの想いに気づいてしまった以上、これからも今まで以上に注意を払わなければならない。
あたしが大雅を好きだなんて知られたら、周りの女の子たちに怒られるどころじゃなく…いじめられそうだ。
うまくやれば大丈夫、周りの女の子にも、大雅にも、バレることなんてない。
あたしが教科書に目を通しながら、次のページへとめくった時だった。