この恋に砂糖は使用しておりません


伶先輩のその言葉に、あたしは軽く頭を下げた。


「大雅、その隣のクラスの幼馴染のこと迎えに行くの?」


伶先輩は少しだけ大雅に近づいて、首を傾げて問いかける。


「――いや、今日はもう帰ります」


あたしが断ったんだから、これでいい。


でも、この流れだと、伶先輩はきっと。


「そっか、じゃあ一緒に帰ろっか。家も近いし、私も今から帰るところだったし」


そう、言うと思ったんだ。

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