この恋に砂糖は使用しておりません
しかも大雅と家が近いということは、必然的にあたしとも家が近いということになる。
これから家の近くで出くわしたり、挨拶しあったりすることにあるのだろうか。
ああ、どんどん嫌な方向に流れていく。
「いいですよ」
大雅は笑っていた。
あたしには一緒に帰ることを断られたし、ちょうどラッキーなんて思っているのだろうか。
あたしのかわりなんていくらでもいるし、そもそもあたしが一番じゃないもんね。
――やだな、こんなタイミングで大雅を想うなんて。
「じゃあ愛海。またな」