この恋に砂糖は使用しておりません


教科書に視線を戻す。


明日のテストまで、時間はない。


勉強をしなくてはいけない。


のに。


目を通した文字たちは、あたしの頭の中をするりと通り過ぎて行く。


ただ、今の今まで聞こえていた、聞きなれたあいつの声が、脳内で響くだけ。


悔しい。


「…あたし、なのに」

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