この恋に砂糖は使用しておりません


「おれも、がっこうはきらいだけど、あいみはすきだよ」


青信号を知らせる、軽やかな電子音。


小さかったあたしたちの横を通り過ぎていく、大人たち。


目の前のもの全てが輝いて、大きく見えていた、あの頃。


あたしたちはきっと、――“幼馴染”だった。


「あー、またあかになっちゃったじゃんっ」


歩き出そうと前を向いたあたしが目にしたのは、赤色の信号機。


「いまわたれば、はやくがっこうにいけたのに。つぎ、たいががはしらなかったら、あいみだけさきにがっこういっちゃうからね」

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