この恋に砂糖は使用しておりません


走る、どんどん大雅の姿が大きくなる、走る。


「はぁ、はぁ、」


やっと追いついた、と大雅の少し後ろに来て足を止めた。


が、――信号が変わる。


あたしを休める暇もなく、赤信号は青信号へと変わり、大雅は再び歩き出す。


どれだけどれだけ追いかけても、大雅は先に行ってしまう。


青信号、渡っていく大雅。


いつもあたしの後ろを着いてきた大雅が、いつの間にか先を歩くようになって。

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