この恋に砂糖は使用しておりません


「…懐かしいな、それ」


少し変わってしまった大雅の、くしゃっと笑ったその笑顔は、あの頃と変わらなくて。


胸の奥の方から、ぐわっと何かが押し寄せた。


「愛海、信号。早くしないと赤になるぞ」


大雅の笑顔に浸る暇はなかった。


あたしは大雅に手首を掴まれて。


「あ、」

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