この恋に砂糖は使用しておりません


そのまま2人で、反対側へ渡りきった。


それはまるで、小学生の頃のあたしたちのようで。

 
“いっしょに、しんごうわたろう”


あの時の。


一緒にいることが当たり前だったあたしたちの儚い“約束”が、聞こえた気がした。


信号は再び赤になった。


止まっていた車が動き出す、と同時に、止まっていた時間も動き出す。

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