この恋に砂糖は使用しておりません
「大雅、」
掴まれた手首を離せないまま、あたしは一歩前で立ち止まった大雅の後ろ姿を見つめた。
ずっとあたしより小さくて、背が低かった大雅。
今ではもうこんなに大きくなって、あたしが見上げるようになって。
華奢だけど頼もしいその背中に、切なさと愛しさが同時にこみ上げてくる。
ゆっくり、背中は振り返る。
あたしたちの目が合って、大雅はまた、くしゃりと笑った。
「…変な顔」