この恋に砂糖は使用しておりません


あたしは昔から友達も多かったし、とにかく学校が好きだったから、早く学校に行きたくて行きたくて、休日がもったいないと思うほどだった。


今考えたら、この頃の自分可愛いなって思うけど、信号の一本でさえ早く渡りたくて。


この信号を渡りきれば、もう学校に着くから。


横断歩道のこっち側から学校は見えているから。


早くその向こう側に渡りたくて、あたしはそんなことを言って。


立ち止まったまま、あたしと大雅はもう一度信号を待っていた。


――そのとき大雅は、あたしを見て。


「だめだよ、あいみだけさきにいったら」

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