この恋に砂糖は使用しておりません


「すいません。玲先輩、また」


大雅は玲先輩に、笑顔を向けていた。


――あたし、子どもだな。


恐る恐る視線を動かし、チラッと玲先輩を見る。


玲先輩は笑って、手を振って、その場を去って行った。


黒髪がさらりと、風になびいていた。


先輩の大人の余裕と、あたしの子供なわがまま。

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