この恋に砂糖は使用しておりません


うん、そうだ、それもそうだよな。


だって大雅には“恋人”がいる。


あたしは――ただの“幼馴染”なのに。


どこかで、いつかあたしを見てもらえるかもしれないって期待して。


あたしから想いを伝えたら、応えてもらえるかもしれないって期待して。


そんな理由、根拠、なんてどこにもないのに。


「…俺、彼女いるし」


黙ったままのあたしに追い打ちをかけるように、大雅は呟く。


その瞳は、痛いほど素直にあたしを見つめていて。

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