恋してバックスクリーン
無愛想な男
①
平成二十九年、一月一日。
ハッと目を覚ましベッドから起き上がると、カーテンを開いた。窓の外には雲ひとつない、青く澄んだ空が広がっていた。
「寿彦さん、寿彦さん」
ベッドに潜り込んでいる関寿彦を揺すって起こすと、「んー」と低い声が微かに聞こえた。
「あけましておめでとう! 初詣に行こうよ! 寝ている場合やない」
掛け布団を剥ぎ取ると、大きな身体を小さくして、猫のように丸くなっている。
「もう……」
ため息と一緒にぽつりとつぶやいた瞬間、大きな猫が豹変し、くるりと身体を反転させて、すばやく私を引き寄せた。
声を出す間も無く、私はベッドになだれ込むようにして倒れた。
「ちょっと、寿彦さん……」
ぎゅっと強く抱きしめられると、悪い気はしない。でも、ちょっと強引すぎなのでは!?
「寒いから」
……なんて理由で私を抱きしめる。身体のわりに声も心臓も小さい。そんな寿彦さんを愛しく思った。
ハッと目を覚ましベッドから起き上がると、カーテンを開いた。窓の外には雲ひとつない、青く澄んだ空が広がっていた。
「寿彦さん、寿彦さん」
ベッドに潜り込んでいる関寿彦を揺すって起こすと、「んー」と低い声が微かに聞こえた。
「あけましておめでとう! 初詣に行こうよ! 寝ている場合やない」
掛け布団を剥ぎ取ると、大きな身体を小さくして、猫のように丸くなっている。
「もう……」
ため息と一緒にぽつりとつぶやいた瞬間、大きな猫が豹変し、くるりと身体を反転させて、すばやく私を引き寄せた。
声を出す間も無く、私はベッドになだれ込むようにして倒れた。
「ちょっと、寿彦さん……」
ぎゅっと強く抱きしめられると、悪い気はしない。でも、ちょっと強引すぎなのでは!?
「寒いから」
……なんて理由で私を抱きしめる。身体のわりに声も心臓も小さい。そんな寿彦さんを愛しく思った。
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