恋してバックスクリーン
次の日は、日曜日。せっかくの休みなのに、ふたりのじゃまをして申し訳ないな……と思いながら、三人でお出かけ。

寿彦さん、熱は下がったかな? 高熱のせいでうなされていたらどうしよう……。食事はしているのやろうか?

気晴らしのはずが、心のどこかで寿彦さんが気になって仕方がない。

「明日、得意先に直行するから、ついでに寿彦さんの様子を見に行くわ」

「それがいいね。マスク必須で」

「行かない方がいいんじゃない? キスすると、確実にうつるから」

海津さんにからかわれて、頬が熱くなった。寿彦さんが辛い思いをするくらいなら、キスして私にうつしてくれたっていいけれど、ね。

「早く完治しないと羽島さんが帰ってこないから、おとなしく寝ているはずだ。心配いらないよ」

心配する私の気持ちを見透かすように、海津さんが言った。

「様子を見に行ってうつったんじゃあ、なんのための別居か、わからないよ?」

「たしかに。そうですね……」

「じゃあ、メールしてみたら? 安否確認で。きっと熱、下がっているって!」

穂花がそう言ってくれると、なんだか安心する。

「メール、してみるわ」

穂花のアドバイス通りにメールを入れてみる。すぐに返事はこなくても、なにかしら返事はあるだろう……。


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