恋してバックスクリーン
無愛想な男、浮気……か!?
①
寿彦さんと別居を始めてから、一週間が過ぎた。仕事を終えて、穂花と一緒に仮住まいへと向かう。
寿彦さんの部屋から女性が出てきたシーンが、頭の中から離れない。でもそんなこと、穂花たちには話せない。寿彦さんが私を追い出したのは、インフルエンザのせいではなく、浮気をしていたから……なんて、恥ずかしくて言えない。
「ただいま」
いつものように、穂花が玄関のドアを開けた。私たちは、職場まで一時間かけて通勤しているけれど、海津さんは地元の区役所勤めだから、先に帰宅している。
「おかえり」
……なんだか、気味が悪いくらい、海津さんがニコニコとしている……。
「どうしたの?」
さすがに穂花も気がついたらしく、眉をひそめて海津さんに聞きながら、部屋に入った。
「おかえり」
海津さんがニコニコとしていた理由は、これだったのか……。ソファに座ったまま、寿彦さんが相変わらずの無表情で言った。
一歩、後ずさる……。心の準備ができていない。
「羽島さん、そのリアクションはどうかと思うよ?」
笑いながら海津さんが言った。海津さんは、私のリアクションの訳を、知る由もなかった。
寿彦さんの部屋から女性が出てきたシーンが、頭の中から離れない。でもそんなこと、穂花たちには話せない。寿彦さんが私を追い出したのは、インフルエンザのせいではなく、浮気をしていたから……なんて、恥ずかしくて言えない。
「ただいま」
いつものように、穂花が玄関のドアを開けた。私たちは、職場まで一時間かけて通勤しているけれど、海津さんは地元の区役所勤めだから、先に帰宅している。
「おかえり」
……なんだか、気味が悪いくらい、海津さんがニコニコとしている……。
「どうしたの?」
さすがに穂花も気がついたらしく、眉をひそめて海津さんに聞きながら、部屋に入った。
「おかえり」
海津さんがニコニコとしていた理由は、これだったのか……。ソファに座ったまま、寿彦さんが相変わらずの無表情で言った。
一歩、後ずさる……。心の準備ができていない。
「羽島さん、そのリアクションはどうかと思うよ?」
笑いながら海津さんが言った。海津さんは、私のリアクションの訳を、知る由もなかった。