恋してバックスクリーン
早く帰りたい気分だったけれど、気心知れた職場の方々との飲み会は、沈む私の心を、少し晴れやかにしてくれた。
豆腐の創作料理もおいしかったな。そういえば、寿彦さんと一緒に来たことがない。今度、連れて来てあげよう。
「どうしたの? 莉乃、頬を緩ませて」
「え? ああ! この豆腐、おいしいなぁ……って!」
おいしい食べ物を、楽しい仲間と一緒に食べると、心もお腹も満たされる。あっという間に予定の二時間は過ぎた。
ゾロゾロと店の外に出ると、輪ができた。そこからは、二次会に行く人あり、帰る人あり……。
「涼介くんが車で迎えに来るんだけれど、莉乃も一緒に帰る?」
車で送っていただけるのなら、ありがたい。穂花に笑顔を向けてお礼を言おうとした、まさにそのとき。
「大丈夫です。ボディーガードがお送りしますから」
声のする方に、ふたりで顔を向けた。
「……え? あ……。莉乃、どういうこと?」
穂花が目を丸くして、私をみつめた。状況が全く読めない私は、首をぶんぶんと横に振った。
「それでは、失礼」
そう言うと、私の手首を強引に掴んで歩き始めた。
豆腐の創作料理もおいしかったな。そういえば、寿彦さんと一緒に来たことがない。今度、連れて来てあげよう。
「どうしたの? 莉乃、頬を緩ませて」
「え? ああ! この豆腐、おいしいなぁ……って!」
おいしい食べ物を、楽しい仲間と一緒に食べると、心もお腹も満たされる。あっという間に予定の二時間は過ぎた。
ゾロゾロと店の外に出ると、輪ができた。そこからは、二次会に行く人あり、帰る人あり……。
「涼介くんが車で迎えに来るんだけれど、莉乃も一緒に帰る?」
車で送っていただけるのなら、ありがたい。穂花に笑顔を向けてお礼を言おうとした、まさにそのとき。
「大丈夫です。ボディーガードがお送りしますから」
声のする方に、ふたりで顔を向けた。
「……え? あ……。莉乃、どういうこと?」
穂花が目を丸くして、私をみつめた。状況が全く読めない私は、首をぶんぶんと横に振った。
「それでは、失礼」
そう言うと、私の手首を強引に掴んで歩き始めた。