恋してバックスクリーン
②
「ふたりでゆっくり、話し合いな?」
海津さんの気遣いで、家まで送り届けてもらった。加茂さんのおかげでややこしい話になった。その前に、ふたりはなんの話もできていない。
「ありがとうございました」
お礼を言って車から降りると、寿彦さんの後に続いてコーポの階段を昇った。
部屋の鍵を開けようとした瞬間、部屋のドアが開いた。
「わっ! びっくりした……」
ドアを開いたのは、寿彦さんの浮気相手だった。この女性のこと、忘れていた。加茂さんのことで頭がいっぱいだったから。
「聖子……また勝手にあがりこんで」
迷惑そうな顔をして、寿彦さんが言った。でも、全く動揺していない。浮気相手の女性と鉢合わせているのに……。
「ごめん、ごめん。今日、彼を連れて実家に帰ったら、いろいろ持たされて。寿彦、たまには帰ってこい! って言っていたよ?」
え? 彼と、実家……? この女性、浮気相手じゃなくて、もしかして……。
「彼女、連れて帰るわ」
え? 寿彦さん!? ただでさえ混乱している頭の中が、さらにごちゃ混ぜになった。
「かわいい彼女だから、お父さんがよろこびそうだね」
聖子さんはそう言うと、小さく手を振り、帰っていった。
「寿彦さん、さっきの……」
部屋に入りながら、おそるおそる尋ねた。
「双子の妹」
「に、似てない……」
浮気相手だと思っていた女性が、まさかの妹。
「く、詳しく聞かせてもらっても、いい?」
ごちゃ混ぜの頭の中、一度、整理をしなければならない。
海津さんの気遣いで、家まで送り届けてもらった。加茂さんのおかげでややこしい話になった。その前に、ふたりはなんの話もできていない。
「ありがとうございました」
お礼を言って車から降りると、寿彦さんの後に続いてコーポの階段を昇った。
部屋の鍵を開けようとした瞬間、部屋のドアが開いた。
「わっ! びっくりした……」
ドアを開いたのは、寿彦さんの浮気相手だった。この女性のこと、忘れていた。加茂さんのことで頭がいっぱいだったから。
「聖子……また勝手にあがりこんで」
迷惑そうな顔をして、寿彦さんが言った。でも、全く動揺していない。浮気相手の女性と鉢合わせているのに……。
「ごめん、ごめん。今日、彼を連れて実家に帰ったら、いろいろ持たされて。寿彦、たまには帰ってこい! って言っていたよ?」
え? 彼と、実家……? この女性、浮気相手じゃなくて、もしかして……。
「彼女、連れて帰るわ」
え? 寿彦さん!? ただでさえ混乱している頭の中が、さらにごちゃ混ぜになった。
「かわいい彼女だから、お父さんがよろこびそうだね」
聖子さんはそう言うと、小さく手を振り、帰っていった。
「寿彦さん、さっきの……」
部屋に入りながら、おそるおそる尋ねた。
「双子の妹」
「に、似てない……」
浮気相手だと思っていた女性が、まさかの妹。
「く、詳しく聞かせてもらっても、いい?」
ごちゃ混ぜの頭の中、一度、整理をしなければならない。