恋してバックスクリーン
②
九回表、横浜ベイブルースの守護神がマウンドにあがると、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。その期待に応えるように、三者凡退で試合を決めた。
「いい試合だったね」
花火が夜空を彩り、試合の余韻に浸る。夜空を見上げながら寿彦さんがポツリとつぶやいた。
私は、膝の上にちょこんと座っている紙袋のおかげで、七回裏からあとのゲーム内容を、よく覚えていない。
「寿彦さん! あの……」
「んー? あ! ヒーローインタビューが始まる」
……また、はぐらかされた。どうしようもないくらいの野球バカだから仕方ない、と、お立ち台に目をやった。
ヒーローインタビューをひと通り聞いた後、もう一度、寿彦さんに声をかけよう。スタジアムが盛り上がる中、ひとりで上の空になっていた。
「いい試合だったね」
花火が夜空を彩り、試合の余韻に浸る。夜空を見上げながら寿彦さんがポツリとつぶやいた。
私は、膝の上にちょこんと座っている紙袋のおかげで、七回裏からあとのゲーム内容を、よく覚えていない。
「寿彦さん! あの……」
「んー? あ! ヒーローインタビューが始まる」
……また、はぐらかされた。どうしようもないくらいの野球バカだから仕方ない、と、お立ち台に目をやった。
ヒーローインタビューをひと通り聞いた後、もう一度、寿彦さんに声をかけよう。スタジアムが盛り上がる中、ひとりで上の空になっていた。