私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「さよなら、一護っ」
ハラハラと涙を流して、微笑む。
私の秘密の囁きにも気づかずに、一護は目覚めるんだろう。
本当は気づいてほしい……キミが好きだから。
どうか、ずっと気づかなくていい…傷ついてほしくないから。
私の心は、また嘘に塗り替えられていく。
一護が目が覚める前に、この部屋を出よう。
夢が覚める瞬間は、酷く切ないから。
ーーーーーだから、バイバイ一護。
瞬きと共に流れた涙を最後に、私は眠る一護を置いて、部屋をそっと出た。