私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「何かあったって顔してたから。店長と藍生には少しだけ時間もらった」
「瑞希先輩…」
「皆、心配してたよ」
あぁ、やっぱり気づいてたんだ……。
もう、隠せないくらい余裕がなかったんだ、私。
「ごめんなさい、迷惑かけて……」
ぎこちなく笑うと、瑞希先輩は困ったように笑って、私の頭をポンッと撫でた。
この手がどんなに優しくても、私は……ここに、一護がいてくれたらと望んでしまう。
「迷惑だなんて思ってないよ、ほら、何があったのか聞くから」
そう言って、カフェの前にあるベンチに2人で腰掛けた。
顔を上げれば、キラキラと輝く星たち。
それに背中を押されるように、私は口を開いた。