私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


「おっ、なんだくっちゃべって〜」


そして、もう1人、瑞希先輩と同じ時間に入ってくる、タレ目で長い茶髪をゴムでまとめたいかにもチャラいこの人は、白井 藍生(しらい あいき)先輩。


藍生先輩は、私達ホール担当とは違い、厨房担当で、瑞希先輩と同じ大学に通っている、大学1年生だ。


「藍生先輩、おはようございます」

「椿ちゃん〜♡今日も美人だねぇ♡」


語尾にやたらと♡がついているのは、気の所為??

口を開けば口説こうとする藍生先輩から、私はススッと距離をとる。


「藍生、椿ちゃんに話しかけるな、汚れるでしょ」

「瑞希〜、俺に対してだけ扱い酷くね?」

「当たり前でしょ、藍生に優しくする必要ないしね」


瑞希先輩は、藍生先輩と仲が良いからか、口調も砕ける。
私や一護への接し方とは少し違う気がした。


< 19 / 211 >

この作品をシェア

pagetop