私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「私が隠してきたもの…全部、バレてしまいました…」
「……それは、一護くんが好きってことを?」
「はい……親友には気づかれてたみたいで、それでも隠し続けようと嘘をついたら……大嫌いだと、言われてしまいました…っ」
思い出すのは、紗枝の心から傷ついた顔。
私がついた嘘の、重ねた偽りの罪深さを、思い知った。
「そう……」
「一護には、やけになって好きだったことをぶちまけちゃって……。いっそ、関わりがなかったみたいに、離れちゃえばいいって言ったら……怒らせてしまって…っ」
我慢できたのはそこまでだった。
ブワッと堰を切ったかのように溢れてくる涙と嗚咽。
そんな私の背中を、瑞希先輩が撫でてくれた。
「………大切なんだな、3人とも」
「え……?」
私の話を静かに聞いてくれた瑞希先輩が、ポツリと切り出す。その言葉に、私は頷いた。