私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「紗枝……」
「幸せになれ、親友!報告、待ってるからねっ」
紗枝は、笑っていた。
そして、本当に私の親友は強い人だと改めて思う。
信じ抜くって、すごく勇気がいる。
本当ですね、瑞希先輩……。
だけど、紗枝は……いつだって私を信じようとしてくれた。
私も……そんな風に、強くなりたい。
「紗枝、ありがとう、大好きっ……」
だから……今、キミに会いに行く。
そう心に決めて、私は屋上の扉を開け放ったのだった。