私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「なぁ、椿が泣いてたのは……」
「一護を忘れられないからだよ……」
だから、何度もキミを思って泣いた。
眠れない夜を、報われない想いに胸を痛めるのも、そのたびにつく嘘も……何度も繰り返した。
「俺も……椿をどんなに嫌いになろうとしても、無理だった。むしろ、どんどん気になって……」
「一護……?」
「なぁ、椿。俺も……ずっとお前に言えなかった事がある」
どこか、緊張した面持ちで私を見つめる一護。
それに、ドキドキと心臓が早く脈を打ち始める。
「逃げないで、受け止めてくれないか」
「っ………はい」
いつも、一護が何か言いかける度に最後まで聞くのが怖くて逃げていた私。
だけど、もう一護の答えから逃げない。
だから聞きたい、一護の想いを……。
知りたい、その心を………。