私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「それ……」
そして躊躇うように口を開いた一護を見つめていると、「うっ!!」と声を上げた。
「え……え??」
「やべ、逃げるぞ!!」
すると一護は、そのまま私の手を取り、走り出す。
「え、ちょっと!!」
「うっせ、早く走れって!!」
なんなの、もうっ!!
その力強さに敵うはずもなく、私は一護に連れられるまま、走り出したのだった。
「はぁっ、はぁーっ」
「息切れしすぎだろ」
「誰のせいよ、誰の!!」
私達は、屋上まで全力疾走して、フェンスに寄りかかる。そしてゆっくりと腰掛けた。