私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
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放課後、私は教室の自分の席の机に腰掛ける。
風に揺れる髪を耳にかけると、私は窓から見える茜空を見上げた。
今日はバイトが休みで良かった。
きっとまた、ボーッとして、今度こそ迷惑かけちゃいそうだし。
「……………」
今なら、口にしても許される?
誰もいない、誰も聞いてないもんね。
私は茜空から、ゆっくりと、好きな人の机へと視線を移す。
「すぅ……はぁ…」
誰もいないのに、どうしてこの一言を言うだけで、不安になるんだろう。
私は、ゆっくりと口を開く。
「……好き……」
あぁ……ダメだ。
言ってしまったら最後、どんどん膨れあがるこの想い。
好き、好きだっ……。
なんで、こんなにキミが好きなんだろう。