私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


***


放課後、私は教室の自分の席の机に腰掛ける。

風に揺れる髪を耳にかけると、私は窓から見える茜空を見上げた。


今日はバイトが休みで良かった。
きっとまた、ボーッとして、今度こそ迷惑かけちゃいそうだし。


「……………」


今なら、口にしても許される?
誰もいない、誰も聞いてないもんね。

私は茜空から、ゆっくりと、好きな人の机へと視線を移す。


「すぅ……はぁ…」


誰もいないのに、どうしてこの一言を言うだけで、不安になるんだろう。

私は、ゆっくりと口を開く。


「……好き……」


あぁ……ダメだ。
言ってしまったら最後、どんどん膨れあがるこの想い。

好き、好きだっ……。
なんで、こんなにキミが好きなんだろう。





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