私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


***

体育の時間、私達女子はバレーボールで、隣の男子達はバスケットボールをしていた。

私たちのクラスが試合を終えると、紗枝と一緒に隣のバスケの試合を見学する。


ーダンッ、ダンッ!!

ボールが早いリズムで地面にバウンドする音。
すぐ目の前をドリブルで駆けていく、見慣れた茶髪。


「ふっ!!」


そこには、いつの間にたどり着いたのか、バスケットゴールに向かって飛ぶ一護がいた。

私の好きな日に焼けた無造作の茶髪が、風に揺れる。

ーパシュッ!

ゴールの中に吸い込まれるように、ボールが入った。


「よっしゃ、決まった!!」

見事にシュートを決めた一護。
そんな一護に、クラスメイトが一斉に集まる。


「オオーッ!!」

「お前すげーな!!やっぱ、帰宅部やめてバスケ部来いよ!!」


女子達からも湧き上がる拍手や歓声。

それは、私の隣に入る紗枝も例外ではなく、「すごかったね、カッコイイね、椿っ」と紗枝が興奮していた。




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