私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「1人でって、意味わかんねぇよ!!」
怒っているというより、戸惑っているのだと分かる。
振り回すのは、もう止めなきゃだめだよね…。
ちゃんと、離れないと、私はいつまでだってもこの人を傷つける…。
だから……。
「……バイバイ、一護」
後ずさった足で、全力で駆けた。
「椿っ!!」
大好きな人の声に、何度も振り返りそうになりながら、揺らがないよう気持ちを強く保つ。
バイバイ、さよなら一護っ!!
雨が頬にぶつかって、涙を洗い流していく。
悲しみの痕を消し去るかのように…。
そして私はまた思うんだ。
いつものように、この心が、恋が消えてしまえと。