私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。
「カッコよかったって……」
「わ、わわ!」
やだ、私ってば本当に何また言ってるんだろう。
「お、お前何言ってんだよ!!」
「や、本当にカッコよかったよ……えーと、変な意味じゃなくってね」
慌てて取り繕うと、一護は少し頬を赤く染めて、はにかんだ。
「そうか、なら嬉しいけどよ」
「うっ………」
真正面から一護に見つめられる。
特別な意味なんてない、ただ照れてるだけだ。
なのに……うっ、そんな目で見ないで…。
なんか、すっごく空気がこう……甘いような…。
恥ずかしくなって、頼んだポテトを口に放り込む。
「椿と紗枝って、どうやって出会ったんだ?」
「え、紗枝??」
不意に紗枝の名前が出てきて、ビクッと肩を震わす。
やだ、また紗枝の事を思い出して……。
ズキズキとまた心臓が痛んだ。
胸にあるのは、ただただ罪悪感だった。