リストカット依存症
手首が痛い。
そう思って目を開けると、わたしは床で眠っていた。
床の冷たさや、左手首の刺すような痛みが、意識をはっきりさせる。
「ウチ…生きとる…」
がっかりした反面、ホッとした。
わたしは、手首を服の袖で隠し、下におりた。
こうなったらとことん反抗してやろうと思った。
当たり前のように、その日、父親はわたしと口をきかなかった。
翌日、祖母がわたしの話を聞き、わたしと父親の仲を取り持ってくれた。
けれど、決して、わたしはリストカットの話を
祖母にも家族にもしなかった。