リストカット依存症

翌朝

わたしは学校に行きたくなくて


はさみで手首を切った。


別に、これでどうってなるわけじゃないが

もう癖になってしまってるのだ。


学校に行くと、予想どおり、突き刺すような視線を浴びせられた。


休み時間はすることもなく


ただボーッとしていた。



すると、クラスメートの一人が

わたしのところまで来て言った。


「…けーちゃん、手首、隠したほうがいいよ」



わたしは自分の手首を見た。


ミミズ腫れの真ん中に、赤い切り傷が何重にもある。


不格好なわたしの手首。



「…あ…ありがと」


わたしは口だけ返事をして

ブラウスの袖で手首を隠した。



それから一週間、わたしの手首に切り傷がない日がなかった。


その傷は

今だに、うっすらと跡が残っている。




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