人でも、鬼でも、「君を愛す」
なるほど……ついに春明は鬼を使役したのかぁ……。
ライバルと言えど、負けてる感半端ない。
「使役っていうか、人の姿にして家に居候させてるから幽魔退治を手伝ってもらうことになったんだよ」
「人の姿?ってことは、鬼の姿もあるんだ!見たい!」
私はベッドから降りて、天鬼に近寄ろうとした。
「やだよ。てか、近づくんじゃねぇ」
「えー……」
「紗子が近づくと天鬼ぶっ飛んじゃうからね」
「あー……」
無惨に崩れた棚を見る。
またこんなことになるなら、私はずっとイケメン鬼に近づけないのか。
「あ」
私が落ち込んでいると、唐突に春明が言葉をこぼした。
「どうしたの?春明」
「もう高校に向かわないと遅刻しそう」
春明は私に見えるように腕時計を向けて指差した。
時計の針は、七時半をほんの少し過ぎている。
たしか、入学式は八時半から始まる予定のはず……着替えて、朝ごはんを食べて、八時……電車に乗って……ギリギリ間に合うだろうか。
あーでも、春明たちと話しながら登校したいな……待たせるのも悪いし、朝ごはんは食べなくてもいいか!
「急いで着替えるから、外で待ってて!」
ライバルと言えど、負けてる感半端ない。
「使役っていうか、人の姿にして家に居候させてるから幽魔退治を手伝ってもらうことになったんだよ」
「人の姿?ってことは、鬼の姿もあるんだ!見たい!」
私はベッドから降りて、天鬼に近寄ろうとした。
「やだよ。てか、近づくんじゃねぇ」
「えー……」
「紗子が近づくと天鬼ぶっ飛んじゃうからね」
「あー……」
無惨に崩れた棚を見る。
またこんなことになるなら、私はずっとイケメン鬼に近づけないのか。
「あ」
私が落ち込んでいると、唐突に春明が言葉をこぼした。
「どうしたの?春明」
「もう高校に向かわないと遅刻しそう」
春明は私に見えるように腕時計を向けて指差した。
時計の針は、七時半をほんの少し過ぎている。
たしか、入学式は八時半から始まる予定のはず……着替えて、朝ごはんを食べて、八時……電車に乗って……ギリギリ間に合うだろうか。
あーでも、春明たちと話しながら登校したいな……待たせるのも悪いし、朝ごはんは食べなくてもいいか!
「急いで着替えるから、外で待ってて!」