カミレンジャー! その4
「そうか…隊長もついに、これを使うことをブルーに許可したのか…。」

 いや、レッド…一人感慨にふけられても…。

「最近のブルーの活躍はすさまじいものでしたからね…。これで、いよいよ…。」

 いやいや、実くんもさぁ…。

「あの…さっぱり意味が分からないのですが…。」

「なんで分からないのですか!馬と鹿ですよ!普通に考えれば、分かるでしょ?」

 ナンデヤねん?

「いや…普通に考えて、嫌がらせとしか思えないのだけど…。」

 馬と鹿のぬいぐるみを使った、お前ら『馬鹿』というメッセージ…。

 なんか…あの、隊長にだけは、言われたくない気がするのは、気のせいだろうか…。

「愚か者!!古来…具体的に言うなら古墳か昭和の間ぐらいからだ!」
範囲広いな…。

「まぁ、だいたい、それぐらいから、馬と鹿は合体システムを表すものと決まっている!!」

 ……え?

「へぇ~…そうなんですか…。」

「うわっ!あまりの馬鹿馬鹿しさに、ブルーが突っ込むのをあきらめた!!」

 やっぱり、実くんも今の話が馬鹿馬鹿しいと思っているのか…。

「っていうか、合体とか無理です。」

「しかも、いきなりの無理発言!!」

「どうしたんだブルー!確かにおびえるのも分かるぞ、合体システム、それは男のロマン。だけど、そこに危険が伴うのは仕方がない。それこそが男のロマンだからだ!」

「ロマンで飯は食えません。」

「ブルーが、どこか恋愛とか夢とかに疲れ果てた三十路女な発言をしだした!!」

 いや…実くん、それは三十路女性に失礼だから…。

「かまわないさ、ブルーもいざと言うときはやってくれる。なにせ…合体は男のロマンだからな!!」

 お前、さっきからそればっかやな…。

 そんなことを考えながら、ブルーたちカミレンジャーは、今日も現場に到着するのであった。

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