俺の手が届く範囲にいろ。
「ひとりで泣いてんじゃねーよ」
【京哉side】
……幼なじみ、じゃなかったら良かったのに
って、たまにそんなことを思う時がある。
俺の幼なじみ……茅ヶ崎 実月。
華奢な身体に、白い肌。
顔はちょっと童顔だけど…
目はぱっちりしてて、まつげは長くて…
ピンク色の唇。とにかく……可愛い。
俺にとって、すげぇー大事なやつで
自分よりも大切って、心から思える女。
ガキの頃から、いつも一緒で
いつだって『幼なじみ』で
まとめられてきたけれど。
俺はその言葉が、好きじゃない。