俺の手が届く範囲にいろ。
「ほら、イルカ見にいくんだろ?」
「う、うん…」
……京ちゃんの『本気』って、
一体なんのことだろう……?
繋がれた右手と京ちゃんのことを
交互に見つめながら…
わたしはそんなことを考えていた。
『本気』
…言葉の意味は、
正直よく分からなかったけれど。
戸惑うわたしの隣で
ふっ…といじわるそうに笑う京ちゃんの顔が
やけに大人っぽく見えて…
「っ……」
わたしは不覚にも、ドキドキしていた……__