俺の手が届く範囲にいろ。
「っ…分かってるよ。さっきの女の子たちに
嘘がバレないようにでしょ?」
「ばか、ちげぇよ。
…別に嘘がバレようが、そんなんどうだっていい」
そんな言葉と同時に、
京ちゃんはかがんでいた姿勢を元に戻した。
京ちゃんの身長が大きいせいで、
わたしを見下ろす形になっていて…
目を合わせるのも照れくさい。
「…意識、させたかったからだよ」
「……へ?」
「…兄貴じゃなくて、幼なじみじゃなくて…
恋愛対象として意識してほしいって言ってんの」
「………」
恋愛、対象…?
誰が、誰に…?
……わ、わたしが…京ちゃんにッ……!?
衝撃的な言葉と、距離の近さに
なんだか息がしづらい。
動揺を隠せないわたしに気付いたのか…
京ちゃんはほんの少し、笑った気がした。