俺の手が届く範囲にいろ。
「……男といるってことね」
学校祭当日。
天気は晴れで、まさに学祭日和だ。
美味しいものが食べられる…!
そう思ったら
わたしは朝からウキウキしていた。
「京ちゃんおはよ!ついに当日だね!」
わたしは、家から出てきた京ちゃんに
挨拶をする。
「はよ、なんで部屋こねーの?」
「…へ?」
眠そうな顔をしながら、
京ちゃんはそんなことを言った。
「…いつも叩き起こしに来てたくせに」
「た、叩き起こしには行ってないよ…!」
……だけど、確かにわたしはあのキス以来、
京ちゃんの部屋に行っていない。
…い、行けない…。
だって、最近のわたしは
京ちゃんと目を合わせることすらも
気恥ずかしくなってるんだから…。
京ちゃんが変なこと言うからだよ…。