俺の手が届く範囲にいろ。
「……実月ちゃん、悪いんだけど
保健室まで、京哉に付き添ってあげて?」
「も、もちろん…!」
関本くんの心配そうな声色に
わたしはコクリと頷いて、見上げると…
そんな言葉とは裏腹に、なぜか関本くんは
ちょっとニヤニヤしていた。
…でも、あの顔がきっと関本くんにとって
心配している表情、なんだよね…。
……そんなことよりも。
「京ちゃんっ…!
わたしの背中に乗って…!」
そう言って、わたしは京ちゃんの前に
腰を下ろした。