俺の手が届く範囲にいろ。


「これ、もらっていいの!?」


わたしは嬉しくて、
思わず身を乗り出して京ちゃんに尋ねる。


「甘いもの、食べたかったんだろ?」


「……へ?」


その言葉で、わたしは
関本くんとの会話を思い出した。


*
.

+゚


『ほら、行こうぜ実月!
甘いもん奢るから!』


『あ、甘いもの…?』


……もしかして。


"甘いもの"に反応したわたしのために
京ちゃんはわざわざ
買ってきてくれたのかな…?


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