ただ、思いつきのままに。(超不定期更新)



「そうやって、僕からも抵抗するの?


あの男と俺は同じ?」




そう呟くと彼女は勢いよく僕を見て、首を大きく横に降りながら違うと言う。



こんなことを言うなんて、僕はどこまで自分勝手なのか。



でも、必死に否定してくれた君を、僕は初めて、こんな状況になって初めて、理解したいと心の底から思ったんだ。



今までのように、恋人であるための上辺だけの理解ではない。



君の心まで、理解して、それから、支配したいと。



自分が汚いだなんて見当違いのことを考えて。


僕が汚れるだなんて。




だめだ、愛おしさが際限なく溢れてくる。




更に強く抱きしめると、ようやく抵抗をやめた。





「ごめんね、今日は。


これは、僕のエゴだ。



勝手に君に愛されてるか不安になった。


随分自分勝手だと、いまさら思う。


……僕のこと、嫌いになった?」





不安気に聞く。が、答えはノーだと信じて疑わない。




「ごめんね、もう生きていたくない。



君はあの男とは違うけど、私を弄んだところは同じだよ、何も信じられないや。」





そういった彼女の言葉が僕の胸を抉り、目を見開いて固まる。




ついうっかり腕の力を緩めていたらしく、彼女はするりと僕の腕から逃げ出した。




< 11 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop