ただ、思いつきのままに。(超不定期更新)
「そうやって、僕からも抵抗するの?
あの男と俺は同じ?」
そう呟くと彼女は勢いよく僕を見て、首を大きく横に降りながら違うと言う。
こんなことを言うなんて、僕はどこまで自分勝手なのか。
でも、必死に否定してくれた君を、僕は初めて、こんな状況になって初めて、理解したいと心の底から思ったんだ。
今までのように、恋人であるための上辺だけの理解ではない。
君の心まで、理解して、それから、支配したいと。
自分が汚いだなんて見当違いのことを考えて。
僕が汚れるだなんて。
だめだ、愛おしさが際限なく溢れてくる。
更に強く抱きしめると、ようやく抵抗をやめた。
「ごめんね、今日は。
これは、僕のエゴだ。
勝手に君に愛されてるか不安になった。
随分自分勝手だと、いまさら思う。
……僕のこと、嫌いになった?」
不安気に聞く。が、答えはノーだと信じて疑わない。
「ごめんね、もう生きていたくない。
君はあの男とは違うけど、私を弄んだところは同じだよ、何も信じられないや。」
そういった彼女の言葉が僕の胸を抉り、目を見開いて固まる。
ついうっかり腕の力を緩めていたらしく、彼女はするりと僕の腕から逃げ出した。