ただ、思いつきのままに。(超不定期更新)



つまるところ僕は、何も考えていなかった。



“見てみたい”


そんな欲だけで動いて、彼女を殺した。





僕は、僕のせいで愛しい彼女を、死ぬはずのなかった命を、失ったんだ。





彼女を理解したいと思った気持ちをもっと速く、それこそ付き合った時点で持つべきだった。




その一方で、こんな男と付き合ったからだ、と、見当違いの責任転嫁をしている自分もいる。




なんて身勝手なんだ。



その思いはまるで正しいと言わんばかりに僕の頭を占拠していく。



ほんと、身勝手で馬鹿らしい。




こんな気持ちになるならいっそ、彼女を追った方が楽になれるのでは。





そこまで考えて、僕は自分を愚かだと嘲笑う。




身勝手だと理解していながら、なぜ彼女が悪いとでも言うかのような言葉に騙されているんだ。




すべて僕が悪い。




あとに出来る事は?











彼女を忘れないことだ。





自分の過ちを忘れないことだ。






僕に未来など、あってないようなものだから。








僕は、あの男を殺しに行こう。

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