鬼と仮面

「頭痛いんですか?」

「違います。本当、灰澤さんてキーウィに似てるなと」

「それって褒めこと……」

「褒め言葉ですね」

……なんだこの空間。
どうして二人して照れてるんだろうか。

ホームに降りて電車を待つ。
隣に並んだ灰澤さんが携帯の画面を見せてきた。

待ち受けに、ゲーセンで取ったキーウィがいる。

「もっと可愛いキーウィの待ち受けがあると思います」

「あのキーウィだから可愛い部分もあるんです」

可愛がってあげてください、と返す。電車が来て二人で乗り込んだ。


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