鬼と仮面
言いたいことを言った灰澤さんはけろりとしていて、和食の定食屋でからあげ定食をぺろりとたいらげた。
駅へ向かう途中、ふと思い出したように言葉を発する。
「なんかさっき思い出したんだけど、矢敷さんて自転車で学校来てた?」
「そうですね」
「私も一緒に自転車で登下校したかったです」
「転入先はどんな学校だったんですか?」
聞いてみようか迷っていたことを聞けた。
うーん、と考えて「何がってわけじゃないけど、楽しい学校だった」と答えた。
それは、良かった。というか、嬉しい。