鬼と仮面
エピローグ
もふもふしたキーウィがつぶらな瞳でこっちを見ている。
くちばしをつついてみる。
「灰澤さん、フライ返しどこにあんの?」
「菜箸と一緒の所にあるよ」
「え、これ?」
何故か灰澤芽依子の部屋で料理を作っている矢敷の姿。
キッチンから顔とフライ返しであろうと予測されるものを出した。
まさにそれだ、と頷く。
「これスパテラだよ。何も返せない」
「大丈夫、頑張れば返せますよ」
「用途の違う器具で頑張られても困るんだけど」
呆れた顔で矢敷が肩を竦める。