セロリとアライグマ
オレの後ろからボソッとそんな声が聞こえた。
振り返ると、潮田が悲しそうな顔をしていた。
潮田はあまり目立たない存在。
自ら発言する事はあまりない。
クラスでも静かな女子グループと行動している。
「……山崎くん、新伊さんってやっぱりこの間言われたことがショックで転校しちゃったのかなぁ…」
「……さぁ。わかんねー」
オレは、知らないフリをした。
どうせこのクラスの奴に言ってもムダだと思っていたし、なによりここで新伊のことをオレの口から言うのはイヤだった。
それは、揉め事に巻き込まれたくないとかそういう気持ちじゃなくて、あんなに苦しんでいた新伊の事をオレが簡単に今ここでしゃべってはいけないと思った。
「新伊さん、何で手を洗うようになったか知ってる?」
「いや…1年の終わりには休み時間の度に手洗ってたのは知ってるけど……」
佐藤は今井達に聞こえないようにオレに小声で話す。
「新伊さんが今井さんたちと前は仲良かったの、知ってるでしょ?」
「ああ」
「あのグループ、いない人の悪口をよく言うの。ちょうど兼古さんが風邪で休んでるとき、今井さんとかが兼古さんの悪口を言い出したの。で新伊さん以外みんなそれに賛同して。でも次の日兼古さんが学校に来たら何も無かったように仲良くするのをみてて、突然教室を出て行ったんだよ」
そりゃ人の悪口を言わない新伊にしてみれば苦痛な環境だ。
そうか、それがキッカケだったのか。
振り返ると、潮田が悲しそうな顔をしていた。
潮田はあまり目立たない存在。
自ら発言する事はあまりない。
クラスでも静かな女子グループと行動している。
「……山崎くん、新伊さんってやっぱりこの間言われたことがショックで転校しちゃったのかなぁ…」
「……さぁ。わかんねー」
オレは、知らないフリをした。
どうせこのクラスの奴に言ってもムダだと思っていたし、なによりここで新伊のことをオレの口から言うのはイヤだった。
それは、揉め事に巻き込まれたくないとかそういう気持ちじゃなくて、あんなに苦しんでいた新伊の事をオレが簡単に今ここでしゃべってはいけないと思った。
「新伊さん、何で手を洗うようになったか知ってる?」
「いや…1年の終わりには休み時間の度に手洗ってたのは知ってるけど……」
佐藤は今井達に聞こえないようにオレに小声で話す。
「新伊さんが今井さんたちと前は仲良かったの、知ってるでしょ?」
「ああ」
「あのグループ、いない人の悪口をよく言うの。ちょうど兼古さんが風邪で休んでるとき、今井さんとかが兼古さんの悪口を言い出したの。で新伊さん以外みんなそれに賛同して。でも次の日兼古さんが学校に来たら何も無かったように仲良くするのをみてて、突然教室を出て行ったんだよ」
そりゃ人の悪口を言わない新伊にしてみれば苦痛な環境だ。
そうか、それがキッカケだったのか。