セロリとアライグマ
オレが廊下に立ち止まっていると、制服を着た男子二人が猛ダッシュでこちらにむかって走ってきた。そして『カウンセラー室』の扉を勢いよく開ける。


「アライせんせー!!昨日のお笑い、見たー?!!」

「すっげーおもしろかったよな!アライせんせーの好きなコンビ、結構いいセン行ってたのにおしかったよなー」


 
アライせんせい?



『こら、入るときはちゃんとノックしてね。いっつも言ってるでしょー』

中から『アライせんせい』と思われる女性の声が聞こえた。



ていうか、この声、聞き覚えあるような気がする。




「なぁなぁ、見た?昨日のテレビ!!!」

『もちろん、見てたよー!!大樹君が今日あのコンビのマネしてくれるかなーと思って。ていうか先生って呼ぶのやめてよ。私、先生じゃないんだから』


「いいじゃん、別に」

「そーだよ」



二人の男子中学生はさっさと中へ入り、扉をしめてしまった。

オレはふとその扉の向こうを覗いた。




「…新伊……?」

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